(事案を簡略化して説明します。)
Aは父Bと母Cの子です。
BとCが離婚した後は、Cが親権者となってAを養育し、AとBとの間には交流はありません。
CはBを相手方として、株式等がCに帰属することの確認を求める調停(本件調停)を申し立てました。
Bは、本件調停に応じる代わりに、AにはBを被相続人とする財産につき遺留分を放棄してもらいたいと述べました。
そこで、AはBを被相続人とする相続につき遺留分放棄の許可申立(本件申立)を行い、BもAを被相続人とする財産につき遺留分放棄の許可申立を行いました。
裁判所:東京高等裁判所
裁判年月日:平成15年7月2日
ⅰ)本件申立はAの自由な意思に基づくものか
ⅱ)放棄の理由に合理性・相当性があるか
東京高裁は、
争点ⅰ)については、
「本件申立はAの真意に出たものであると認められる。」として肯定し、
争点ⅱ)については、
「AとBとは父子としての交流もないことから相互に他方の相続について遺留分を放棄することとしたものである上、Aの母と父との間の上記の株式等の帰属の問題について調停による迅速な解決を導く一因となったのであるから、実質的な利益の観点からみても、Aの遺留分放棄は、不合理なものとはいえない。」として肯定し、
結論として本件申立を許可しました。