当事務所は相続関連案件専門ですが、相続対策として生命保険を利用される方も多いようですので、生命保険についても説明していきたいと思います。
まずは、終身保険について概説いたします。
終身保険は、保障が一生涯続き、被保険者がいつ亡くなっても遺族などが死亡保険金を受け取れる保険です。
保険料は契約時のまま変わらず、解約すると解約返戻金を受け取ることができるため、貯蓄としても活用できます。
ただし、終身保険には満期という概念がないため満期保険金はありません。
一般の終身保険の他に以下のような終身保険があります。
| 低解約返戻金型終身保険 | 保険料払込期間中の解約返戻金を通常の終身保険より低く設定することで、保険料を割安に設定しています。保険料払込期間満了後は解約返戻率が上昇します。 |
| 外貨建て終身保険 | 外貨で保険料を払い込み、外貨で保険金や解約返戻金を受け取る保険です。円換算して保険金や解約返戻金を受け取る場合には為替変動リスクがあります。 |
| 変額終身保険 | 払い込んだ保険料を保険会社が株式や債券等を投資対象とする特別勘定で運用し、その運用実績に応じて保険金や解約返戻金が変動する保険です。一般的に、死亡保険金は基本保険金額が最低保証されますが、解約返戻金には最低保証はありません。 |
①老後資金の備えになる
終身保険を途中解約した場合、解約返戻金を受け取ることができるため、老後の資金が必要となったときに解約すればまとまった資金を受け取ることができます。
②生命保険料控除の対象になる
年末調整または確定申告で手続きすれば「生命保険料控除」の適用を受けることができます。
生命保険控除には、「一般生命保険料控除」、「個人年金保険料控除」、「介護医療保険料控除」の3つの控除枠があり、終身保険はそのうち「一般生命保険料控除」に該当します。
各控除枠での適用限度額は、所得税で4万円(3つの控除枠の合計適用限度額は12万円)となっています(住民税での控除枠もあります)。
③相続税の非課税枠を利用できる
死亡保険金の受取人が相続人である場合、「500万円×法定相続人の数」で算出した金額が非課税枠として認められるので、相続税の負担を軽減できる可能性があります。
詳しくは、コラム「【相続に関するFP講座】非課税財産をご存知ですか?」をご覧ください。
終身保険は、一生涯の保障が続き、死亡時に確実に保険金を受け取れることから、相続対策や老後資金準備に幅広く活用できる保険です。
また、解約返戻金があるため貯蓄としての性格も持ち、生命保険料控除や相続税の非課税枠の適用を受けられるなど、税務面でのメリットもあります。
一方で、契約内容や保険の種類(低解約返戻金型・外貨建て・変額型など)によって、リスクや返戻金の動きが異なるため、目的に合った保険を選ぶことが大切です。
相続対策として生命保険を検討する際には、保険の仕組みや税制上の取扱いを理解したうえで、最適なプランを設計することをおすすめします。