泉佐野市が国に勝訴

泉佐野市が国に勝訴

先日(3月10日),ふるさと納税に関連した裁判で泉佐野市が国に勝訴したという判決があり,ニュースになりました。

ふるさと納税制度は2008年から開始したのですが,各自治体で,年々,返戻品が豪華になっていきました。

そのため,国は,あまりにも豪華な物や自治体の産業と関係のない物は返礼品にしないように呼びかけを続けました。

しかし,泉佐野市は,国の呼びかけを無視して高価な肉やAmazonギフト券などを返礼品に取り入れて多額の寄付金を集め,2018年度には498億円を集めたそうです。

これに対して,ふるさと納税を所管する総務省は,省令を改正して,多額の寄付金を集めた自治体の特別交付税を減額することや,そのような自治体をふるさと納税制度から除外することを決定したのです。

その結果,2019年度の泉佐野市の特別交付金は前年度比で4億4000万円減らされました。また,2019年5月には,総務省は泉佐野市を含む4つの自治体を制度から外しました。

これに対して怒った泉佐野市は,「そんな決定はおかしい!」と言って裁判を起こしました。

泉佐野市は,①まず,2019年11月に,ふるさと納税の制度から除外された決定の取り消しを求めて提訴しました。

②次に,2020年6月に,特別交付金を減額した決定の取り消しを求めて提訴しました。

除外決定の取り消しを求めた裁判(①)は最高裁まで行き,最高裁は,そういうことを決めるのは総務省の権限の範囲を越えている,という理由で,泉佐野市を勝たせました(2020年6月30日判決)。

今回のニュースは,もう1つの裁判(②)のほうで,特別交付金の減額決定の取り消しを求めた裁判です。

今回の判決は,最高裁ではなく大阪地裁ですが,①の裁判と同様に,総務省の権限の範囲を超えており違法と判断しました。

省令で定めることができるのは法律の趣旨に反しない範囲に限られます。いずれの決定も法律の趣旨を超えていると判断されたわけです。

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