昨年末(12月21日),東京地裁で,インターネットの海賊版サイト「漫画村」に掲載する広告を募った代理店に対して損害賠償を命じる判決がありました。
「漫画村」の運営者は,昨年,刑事事件で実刑判決になりましたが(令和3年6月2日),今回は民事訴訟です。
少し前に,「ファスト映画」の投稿で有罪判決が出た話を書いたときに「漫画村」のことも少し書きました。
そのときには,「違法アップロードされたコンテンツを視聴する人が多いから違法アップロードがなくならない。今後は違法アップロードされたコンテンツをストリーミング再生する視聴者にも罰則がつくかもしれない。」という話をしました。
個人の視聴者を取り締まるのは難しいので,今回のように広告代理店の責任を認めたことの異議は大きいと思います。
判決では,「漫画村」は著作権を侵害しており,広告料を運営会社に支払う代理店行為も著作権侵害を幇助していると判断したのです。
また,今年に入って,ネタバレサイトの経営者が著作権法違反の容疑で書類送検されました。漫画の台詞などを無断でネットにアップロードしていたという事件です。
報道によりますと,ほぼすべての台詞を閲覧できる状態にしていたようです。
つまり,「ネタバレサイト」という形で報道されていますが,ほとんどの台詞をアップしたことが著作権侵害に当たるということです。
ネタをばらしたこと自体が著作権法違反ということではありません。
しかし,ネタをばらしたことで漫画の売り上げに影響が出て損害が発生すれば別の法律に引っかかることもあり得ます。
このケースもやはり広告収入を得ていたそうです。
今後はこのようなサイトに広告を出す会社や広告代理店が訴えられるケースが増えてくると思われます。