最近、夫婦別姓の問題や、同性婚の問題などがよく話題に上ります。
こういう問題を議論する際に外せないのが戸籍の問題です。
そもそも戸籍はいつからあるのでしょうか。
日本で全国的な戸籍が初めて作られたのは670年と言われています。
徴兵や租税の管理が目的だったと言われています。
ということは、現在の戸籍を遡ると飛鳥時代までたどり着くのでしょうか?
そうではありません。飛鳥時代にできた戸籍制度は平安時代になくなってしまいました。
理由は、税金逃れのために戸籍の偽造が行われたり浮浪人が増えたりして、制度が崩壊したからだと言われています。
その後、しばらく日本には戸籍制度がなかったようなのですが、戸籍に似た制度はいろいろとあったようです。
たとえば、安土桃山時代には、学校で習った「太閤検地」が行われました。これもやはり年貢を取り立てるためのものでした。
江戸時代もいろいろな制度があったそうですが、戸籍制度は復活しませんでした。
戸籍制度が復活するのは明治時代に入ってからです。欧米列強の脅威にさらされる中、近代国家樹立に向けて様々な制度を整備したうちの一つだそうです。
「家制度」と密接に結びついた富国強兵政策の一環であったようです。
ところで、日本以外の国には戸籍はないのでしょうか。
日本の戸籍制度に類似した戸籍制度を採用している国は、中国と台湾です。
ただし、中国はかなり特殊な戸籍制度のようです。
台湾は、日本が統治していた時代に日本と同じような制度が作られ、改正を重ねながら現在に至っています。
台湾と同様に日本による統治が行われていた韓国でも、日本の統治時代に戸籍制度が作られました。
最近まで戸籍制度が続いていたのですが、2008年に廃止されました。
その他の国には、日本の戸籍制度のような制度はないみたいです。
では、どのようにして国民のことを把握しているのかというと、欧米などでは、ほとんどの国が国民識別番号制度(国民背番号制度)を導入しています。
同制度によって税務管理を行ったり、社会保障のために利用しています。
日本にもマイナンバー制度(正式名称:「社会保障・税番号制度」)が導入されましたので、近い将来、税務管理や社会保障はマイナンバーで管理されるようになると思います。
そうすると、戸籍制度は不要になるかも知れません。しかし、戸籍制度に関しては様々な意見がありますので、どうなるかは全く分かりません。