著者は科学ジャーナリストで、難しい数式を一切使わず、歴史上の物理学者の講演や手紙から抽出した言葉を用いて会話形式で当時の議論を再現していきます。
物理学の内容自体は半分も分かりませんが、ノンフィクションドラマとしての読み応えがあります。この点は「フェルマーの最終定理」(新潮文庫:サイモン・シン著、青木薫訳)に共通する面があります。
内容については、量子力学の「非局所性」がどこまで適用されるのか、どうすれば証明できるのか、という展開が見どころで、読み進めるにつれてどんどん引き込まれていきます。
ずいぶん前に読んだ、シェルドレイクの仮説の話を思い出しました。