12月8日,スポーツやコンサートのチケットの不正な転売行為を禁止するための不正転売禁止法が成立しました。
チケットの転売については,いわゆる「ダフ屋行為」は各都道府県で迷惑防止条例によって規制されています。
しかし,迷惑防止条例は会場周辺の混乱を防止することが目的なので,「公衆が出入りすることができる場所」での転売行為しか規制できません。
現在のチケット販売においては,チケット販売開始と同時にインターネットで受付を開始するという方法が主流になっていますが,インターネットでの転売行為は迷惑防止条例違反に該当しないため,これまで取り締まりができませんでした。
不正転売業者は,多数のアカウントを取得し,大量のコンピューターからプログラムを使用して,販売開始と同時に一斉に申込みを行うそうです。
不正業者は,このようなやり方で人気のあるチケットを大量に購入するので,一般の人にはほとんど手に入らないことになり,どうしてもチケットを手に入れたいファンは,インターネットに出回る高額なチケットを購入するしかないということが問題となっていました。
この問題は,以前より指摘されていましたが,2020年に開催される東京オリンピックのチケットが販売される前に手を打とうということになりました。
新しい法律のポイントは3点です。
まず1つめは,対象になるチケットは座席指定などがあり販売時に本人確認をしているチケットに限られます。
2番目のポイントは,禁止される行為は,利益を得ることを目的に販売価格より高い価格で転売するやそのような不正転売の目的でチケットを仕入れる行為です。
ですから,儲けるためではなく,参加するためにチケットを購入したけれども,都合が悪くなって,販売価格で知人に転売するなどの行為は違法ではありません。
3番目のポイントは.「チケット」といっても対象となるのは紙のチケットだけに限りません。スマートフォンの画面に表示されるQRコードも対象になります。