【判例解説】遺産分割協議の修正は認められるとした判例

【判例解説】遺産分割協議の修正は認められるとした判例

事案の概要

(事案を簡略化して説明します。)

被相続人Hは昭和56年12月3日死亡しました。
Hの法定相続人は、A,B,Cの3人でした。

昭和57年3月25日、相続人間で、Hが所有していた本件土地をAに取得させる旨を含む遺産分割協議(本件協議)が成立し、Aに所有権移転登記が経由されました。

その後、本件協議の結果ではBの敷地内への自動車の出入りが不便なので、AとBが協議を行った結果、本件土地の一部をAがBに対し贈与することが決まり、Aは登記手続に必要な実印をBに交付しました。

ところが、同年4月7日、Bは本件土地の全部につき所有権移転登記(本件登記)を経由しました。

そこで、Aは本件登記の抹消を求めて提訴しました。

訴訟において、Bは、抗弁として、「相続人間で本件土地の持分2分の1ずつをBとCに相続させる旨の本件協議の修正合意をした」と主張しました。

第一審、原審ともに、いったん成立した遺産分割の全部又は一部を合意解除し、再度分割の合意をなすことは許されないとして、主張自体失当としました。

〇裁判所と裁判年月日

裁判所:最高裁判所第一小法廷
裁判年月日:平成2年9月27日

本件の争点

遺産分割協議の合意解除と再分割協議は認められるか、が本件の争点です。

結論

最高裁は「共同相続人の全員が既に成立している遺産分割協議の全部又は一部を合意により解除した上、改めて遺産分割協議をすることは、法律上、当然には妨げられるものではなく、上告人が主張する遺産分割協議の修正も、右のような共同相続人全員による遺産分割協議の合意解除と再分割協議を指すものと解されるから、原判決がこれを許されないものとして右主張自体を失当とした点は、法令の解釈を誤ったものといわざるを得ない。」として、一般論として、遺産分割協議の合意解除及び再分割協議は認められるとの規範を定立しました。

ただし、「原判決は、その説示に徴し、上告人の右主張事実を肯認するに足りる証拠はない旨の認定判断をもしているものと解され、この認定判断は原判決挙示の証拠関係に照らして首肯するに足りる」と述べて、Bの抗弁を排斥した結論自体に誤りはないとして、上告を棄却しました。

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